デュアルオーブナブルトレイ

電気やガスオーブンで加熱するタイプの調理食品用の容器としては、アルミトレイが適していますが、電子レンジでも加熱が可能であるデュアルオーブナブル性である方が用途が広いため、海外でデュアルオーブナブルトレイが開発され、オーブナブル容器として適用されるようになりました。電気やガスオーブンで調理食品を再加熱する温度は、通常180℃に設定され、加熱温度幅を考慮して、容器には220~230℃程度の耐熱性が要求され、使用された実績があります。オーブントースタには温調機能がないため、オーブントースタで加熱した場合、ピーク時には280℃以上の高温となり、プラスチック系のデュアルオーブナブルトレイを使用することはできません。したがって、オーブントースタ加熱用冷凍食品の容器としては、単層のアルミトレイが適しています。現在までに使用されたことのあるオーブン加熱用成形容器の材料のうち、PPは電子レンジ容器材料としては使用可能ですが、電気・ガスオーブンでは使用不可です。融点が260℃近いPETは、電気・ガスオーブンでの使用が可能です。C-PETトレイは、結晶化を促進するための核剤をブレンドしたPET樹脂のシートからトレイを成形し、熱処理により結晶化度を高くすることにより高い耐熱性を得ています。オーブントースタ加熱には、プラスチックでは耐熱性が得られないため、スチール箔やアルミ箔に耐熱コーティングを施したものが適用されたことがあります。電子レンジ加熱食品としては、冷凍食品タイプ、チルド食品タイプ、レトルト食品タイプ、無菌・無菌化充填タイプのものが販売されており、冷凍食品タイプの製品としては、ご飯類、シューマイなどの中華点心類、揚げ物類、ピラフ等があり、包材としては、PP成形容器やパウチが適用されています。パウチの場合、加熱時に水蒸気の内圧に自動的に閉口するタイプのパウチが多く適用され、レトルト食品の製品としては、ビーフシチュー、豚角煮、鶏トマトソース煮など、多くの製品があります。容器としては、ガスバリア性が要求されるため、PP/EVOH/PP構成の多層カップが使用されています。レトルトパウチの製品は、透明蒸着フィルムをバリア層に用いた自動開封タイプのものが使用され、無菌充填タイプのものは、米飯類、各種惣菜など多くのアイテムが商品化されています。無菌米飯とレトルトパウチを組み合わせた製品も多く、成形容器には、PP/EVOH/PP構成の多層容器が一般的ですある。