不可食性のケーシング

 ソーセージの包装材としては可食性のケーシングと不可食性のケーシングとがあり、可食性のケーシングはさらに天然腸とコラーゲンとに分けられます。日本でもソーセージの大量生産が開始されて以降、長らくコラーゲンのケーシングが利用されてきましたが、欠点もあったことから、時代が下ると次第に合成樹脂を用いたケーシングに取って代わられるようになったのです。つまり不可食性のケーシングの使用頻度が高まっていきました。具体的には、植物繊維を用いたセルロースケーシングやプラスチックフィルム等が挙げられます。セルロースケーシングは木材パルプやコットンを原料としており、燻煙が透過します。他方、プラスチックフィルムは塩化ビニリデンで出来ており、魚肉ソーセージと相性が良く、多用されています。プラスチックフィルムの特徴は強度の高さ、印刷適性にあると言ってよく、大量生産に向いた包装材であることは間違いありません。セロハンを混ぜた着色ケーシングも出回っており、広く用いられています。

 ところでソーセージの可食性ケーシングも含め、食品の包装材には食べられるものが存在します。これらを総称して可食性フィルムと呼んでいます。可食性フィルムの典型例はオブラート、コラーゲンフィルムでしょう。オブラートの原料はデンプンで、コラーゲンはタンパク質です。ですから毒性は全くありません。但し、中には消化されないものもあるため、消費者としては注意を要します。オブラートの用途としては、粉末薬や飴を包むのに用いることが考えられます。オブラートはデンプンにゼラチンとレシチンを混ぜ、フィルム化したものですから、食べるとすぐに溶けてしまいます。語源はラテン語の「円面の」に当たりますが、その歴史はとても古く、ドイツが発祥地とされています。キリスト教の儀式で薬を包むのに使われたと考えられており、当時は硬質のものでした。日本で流通し始めたのは大正時代に入ってからのことでした。例えば当時の文学の中にも「オブラートに包む」という表現が見られることから、一般市民にとっても珍しいものではなかったことが分かります。

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